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アトピーがぐんぐん良くなる本

アトピーの権威、丹羽靭負先生の著書から、科学的にアトピーに対処するための情報を一部ご紹介します。

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アトピーに絶望することはない

この章では、私の病院へ来院され治療を受けられた数千名以上のアトピー性皮膚炎の患者のうちから、超重症の症例、23例を取りあげ、治療経過を報告しようと思います。
これらの患者は、あまりにも症状が重かったために、私の治療法では平均すると一週間程度で症状は回復、ないし完治がのぞめるところ、それ以上の期間を要しています。
しかし、以下の報告を読まれればおわかりになるように、従来のアトピー性皮膚炎は決して絶望的な病気ではないことをさまざまな症例から証明していきたいと思います。
なお、症例の所見及び治療経過,症状については、厳密を期すため専門用語を多用しています。
一般の方にはかなり読みにくいと思われますので、最初に用語の説明と図式で皮膚の異常の種類とその進行過程を示すこととします。
以下の症例をお読みになり、アトピー性皮膚炎に対するしっかりとした認識をもっていただきたいと思います。

●皮膚の異常の種類とアトピーの進行過程

皮疹(ひしん)
 一般的に言われる皮膚に出る“ブツブツ”すべてを言います。

丘疹(きゅうしん)
面積のあまりない点状ないし斑点(はんてん)のような“ブツブツ”が皮膚に出ているものを言います。

紅斑(こうはん)
 赤い斑点が一定の面積をもって皮膚の表面に少し盛り上がった状態で出ること。紅斑の“紅”の字は後述しますように、炎症時赤くなってくるため、盛り上がった皮疹が少し“赤味”をもって紅色を示すことが多いためこう呼びます。

肥厚(ひこう)
 前述の丘疹や紅斑が単独、あるいはお互いに融合(結合)しあって、長期にわたって悪化すると、皮疹が大変厚くなります。その厚くなった状態を言います。

苔癬化(たいせんか)
 皮膚の異常の末期的状態で,肥厚よりさらに皮膚が盛り上がってしまい、まるで象の肌のようにカチカチになった状態。

彌慢性(びまんせい)
 “散在性”の逆で(皮疹)が拡がって広い面積を所有していくことを形容した言葉。

湿潤(しつじゅん)
 皮疹の表面が湿ってじゅくじゅくして崩れそうになってくること。

糜爛(びらん)
 前述の“湿潤”の悪化した状態で、皮膚の表面が崩れてじゅくじゅくになり、傷ついて一部化膿した状態。

潰瘍(かいよう)
 前述の糜爛面がもっと深くなり、皮膚が掘れた状態になること。

瘢痕状(はんこんじょう)
 湿潤、糜爛面の存在した後の改善後にみられるもので、傷跡のようになって皮膚が引っ張られる感じになっている状態。

ケロイド
 傷跡の皮が引っ張られただけでなく、その上に汚く盛り上がった状態になったものを言います。

落屑(らくせつ)
 アトピーがひどくなると、皮膚の表面が崩れるものと、皮がむけ、頭にフケのような粉状のものが表面に浮き出るものとがあります。落屑は後者で頭に出ると“フケ”と呼ばれます。

(けつが)
 皮膚がコケ状になった状態。

浮腫状(ふしゅじょう)
 水っぽく腫れあがること。

発赤(はっせき)
 赤味がある状態。炎症の激しさを表します。

漿液性丘疹(しょうえきせいしっしん)
 丘疹が水っぽい状態。炎症が激しく急性期にあることを示します。

結節性痒疹(けつせつせいようしん)
 虫(例えば“ブヨ”)にかまれたように皮膚の表面が盛り上がり、しかも根が深い状態。

硬結(こうけつ)
 皮疹の根が深い状態。

貨幣状湿疹(かへいじょうしっしん)
 貨幣状に丸くなったじめじめした紅斑のこと。

●皮膚の異常とアトピーの進行過程

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2006年09月13日 00:20