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2007年04月01日
シワとコラーゲン(膠原線維)
密集して立体構造を形成するコラーゲン
老化に伴い、皮膚は薄くなっていきます。
真皮層の厚さを測定すると、20歳代をピークに、その後は年齢とともに薄くなる傾向にあります。
それに伴い、コラーゲンの量も減少すると考えられます。
コラーゲン線維は真皮乳頭層では細かく密集しており、網状層ではより太い線維が粗でゆるく絡み合っています。
線維の方向は複雑で、立体的な網目構造となっています。
この立体構造が皮膚の弾力性や伸縮性を生み出す源です。
外から圧力が加わると網目状構造は変形しますが、圧力が除かれると元に復元します。
復元するときには弾力線維のエラスチンの働きも大きく関わっています。
ところが、老化するとコラーゲン線維の網目構造はまばらとなり、線維そのものも1本1本が細くなります。
その上、直線的になり、線維同士の絡み合いがほとんどなくなり、ほどけかかっている状態もしばしばあります。
このようなコラーゲン線維の減少は、皮膚の弾力性喪失につながり、シワの原因となります。
コラーゲンの変化「橋かけ」
老化とともにコラーゲン線維そのものの減少に加えて、線維の分子的結合の変化もあります。
コラーゲン線維は、架橋(橋かけ)によって分子と分子が結び合わされています。
線維間をちょうど橋をかけたように横断し、結合させているので「橋かけ」と呼ばれます。
この橋かけは、若くて健康な皮膚の場合には、一定の間隔をあけて存在しているが、年を重ねるとともに増加する傾向があります。
一定間隔に一定の数の橋かけはコラーゲン線維をバラバラにしないで強度を保つ意味で非常に重要ですが、加齢により増えた橋かけの場合は、コラーゲン線維の働きを阻害し、皮膚組織の硬化をまねきます。
橋かけの増加もシワやたるみの一因になっています。
健康なコラーゲン線維は、その断端が他のコラーゲン線維の断端と架橋構造(橋かけ)により結ばれています。
このことで皮膚は弾力を保っています。
加齢に伴い、線維間に必要以上に橋かけができてしまうと、コラーゲン線維は硬くなってしまい、柔軟性が失われます。
2007年04月01日 04:52